診療科紹介

麻酔科

安全・良質で、優しい麻酔を

手術では体にメスを入れるため、痛みや出血を伴います。そこで、痛みを和らげ、手術ストレスから患者さまの体を 守ることが麻酔の役割です。手術に伴うストレスはそれ自体がつらく苦しいばかりでなく、手術後の回復にも影響を 与えることがありますので、麻酔は手術中だけでなく、手術前・後にも重要な役割を担っていると言えます。

麻酔というと怖いイメージを持たれる方が多いようですが、最近の麻酔技術、モニター、麻酔薬の進歩により、安全性はかなり向上しました。麻酔科専門医が麻酔を行った症例の最近の調査によりますと、麻酔管理が原因の 死亡率は10万例に1例でした。一方、手術による全死亡率は10万例に68例であったことから、麻酔自体の危険性は低いことが示唆されました。

また、麻酔の安全性とともに重要なのが、麻酔の質であると思います。質の高い麻酔に求められることは、手術中の呼吸・循環・疼痛状態が良好に管理・維持され、安定した全身状態に保たれていることや、手術後に痛みや 吐き気などの不快感がなく、すっきり覚醒していることなどです。これらは、患者さまが手術後にいかに快適に過ごせるか、早期にリハビリを開始できるかなど、手術の満足度に関わってきます。

当院では、こうした安全で質の高い麻酔を、できるだけ患者さまの負担が少ない方法で提供する事を心がけています。せっかく安全で良質な麻酔を受けるにも、その麻酔準備段階で手技による痛みが強かったり、時間がかか ったりしては困ります。また、麻酔に使用する器具や方法は体に与えるダメージが少ないものの方が望ましいと考えられます。ですので、安全性と質の高さを損なうことなく、体に対する負担の少ない麻酔を提供すること、すなわち「安全・良質で、優しい麻酔を」というのが、当院麻酔科のモットーです。

麻酔Q&A

Q1 麻酔ってどういう種類があるの?どういう使い分けをするの?

大きく分けると全身麻酔と局所麻酔があります。全身麻酔は、麻酔薬を脳に作用させ、意識や痛みを感じなくさせます。局所麻酔には脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔、神経ブロック法などがあり、麻酔薬を脊髄や手術する場所の神経に作用させ痛みをとります。頭部、胸部、腹部の手術はほとんど全身麻酔で行います。上肢、下肢の手術や皮膚表面などの手術は局所麻酔でも、全身麻酔でも可能です。

Q2 麻酔を打つ日は、食事をしてもいいの?

全身麻酔の時間の中に食べ物が残っていると、意識がなくなった後に嘔吐することがあります。吐いた食べ物は肺の中に入ることが多く、窒息や重症の肺炎(誤嚥性肺炎)をおこします。そのため手術当日は食 事はできません。水分についても制限があります。具体的な時間は施設により異なりますので、お尋ねください。

Q3 麻酔を打ってから、どれくらいで目が醒めるの?

全身麻酔薬は手術中持続的に投与しています。従って、麻酔薬を投与してからの時間ではなく麻酔薬を止めてからの時間が問題となります。通常は麻酔薬を止めてから10分から20分程度で意識はもどります。

Q4 醒めたら痛いの?すぐ歩けるの?

痛みは手術の大きさにも関係しますし、患者さんによっても感じ方が違います。醒めたあと痛みがあれば適宜鎮 痛薬を使用します。 麻酔薬の影響だけを考えるならベッド上で寝返りをうったり、足を動かすことは可能ですが、歩けるかどうかは手術の部位、大きさが一番問題となりますので、主治医の先生の指示に従って下さい。

Q5 注意点はあるの?

ふだん飲んでいる薬、高血圧、糖尿病、喘息などの持病、入れ歯や動揺歯などの情報は麻酔管理上重要ですので、診察の際にお教え下さい。また、手術当日風邪症状や発熱があると手術が延期になる場合があり ますので、手術前の体調管理に御注意下さい。

Q6 ドラマや映画であるような、一生、目が醒めなくなってしまうことってないの?

術前に大きな合併症がなく、通常の麻酔管理をした場合には、そのようなことはないと考えます。

Q7 後遺症が残ることはないの?

全身麻酔の合併症として頻度の高いのは、喉の痛みなどの違和感や後の悪心嘔吐などがあります。脊椎くも膜下麻酔では頭痛があります。麻酔にはいろいろな薬を使うので、その薬に対するアレルギー反応が 起きることもあります。いずれにしても時間の経過とともに回復します。重篤な合併症としては脳梗塞、心筋虚血、神経障害、悪性高熱症などがありますが頻度はかなり低いです。

いかがでしたでしょうか?
皆さまの笑顔のために、私たちはより安全な手術を行うように常に最新の手術法を学び技術の向上に努めております。

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