症状ごとの治療法・治療例

股関節の痛みでお困りの方へ

 股関節痛ってわかりますか?よく腰からくる神経痛と間違われることがあるのですが、足の付け根を人から捻られた際でてくる痛みが、股関節由来の痛みと言われております。

 自宅でもできるセルフチェックとして四の字検査(パトリックテスト:下図)というものがあります。痛い側の足を反対の膝にのせて四の字をつくり、上から押してもらいます。このような検査で足の付け根が痛いときは、股関節内に炎症が起きていることが予想され、軟骨がすり減った状態である変形性股関節症であることが多いと言われています。レントゲンで関節の隙間が少なくなっていれば間違いありませんが、ごく早期ではX線で分からないこともよくあります。また股関節の受け皿が浅い寛骨臼形成不全症では、その程度が軽いと、はじめは気が付かないこともよくあります。高齢の方になると、土台となる背骨や骨盤の傾きが変わり、軟骨がすり減ってくる、または弱い骨が潰れてくることもあります。そのような場合は、まずは通いやすい近くの整形外科で、生活指導や運動療法・薬物療法などの対症療法を行ってみることが基本となります。一度すり減ってしまった軟骨がもとに戻るわけではありませんが〈すり減ったこと〉が重要ではなく、〈痛み〉が患者さんにとって一番の問題となる
ため、患者さんがその痛みと今後も付き合っていけるかどうかが方針を決める上で大事になります。

 そのような治療を行っても問題が解決できない場合には一度専門医にみてもらうことも大切です。傷んだ関節を取り替える手術(人工股関節全置換術)は、関節の痛みが劇的に改善することが期待できるためポピュラーな手術になっています。とても良い手術ですがその反面、正しく手術を行わないと脱臼や破損などのトラブルが早期に起きることがありますし、ナビゲーションなどを使っても、その計画が正しいかどうかは未だわかっておらず、未解決な問題点も残っています。さらに正しく手術が行われても、滅多に起きませんが感染などが生じると大変なことになってしまうこともあるため、一番大事なことは手術以外の方法はないか?手術をするならば御本人が手術に何を求めるかということをしっかりと聞いてもらえる施設で相談することだと思います。


<パトリックテスト>

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