症状ごとの治療法・治療例
スポーツ外傷
当院では毎年50人ほど前十字靭帯損傷と診断されています。多くは運動をする中高生ですが、若い頃にけがをして適切な治療を受けずに痛みが再発した人もいます。
触診のほかレントゲン、MRI(磁気共鳴画像)で靭帯や軟骨、半月板などの異常を診ます。靭帯損傷の診断が出た場合、膝にたまった血液を抜いてリハビリを行い、関節を和らげて炎症を抑えます。3週間~1か月後には、症状は日常生活に支障が出ない程度に収まります。
手術をするかどうかは患者様と相談しながら決めます。スポーツを続ける場合や、日常生活でも支障の出るほど症状が重い場合は手術を選択します。競技復帰まで約7か月かかるので、大事な大会の日程なども加味しながら、手術の時期を検討していきます。
前十字靭帯の手術は関節鏡を用いて膝の腱の一部を移植します。手術を受けて約2週間入院し、通院しながらリハビリを行います。手術が成功してもリハビリが続かないと結果は出ません。手術する際はリハビリを続ける意志が重要です。一般的に術後約3か月で軽いジョギングが、同約6か月でジャンプができるようになります。手術のレベルも上がり、けがをする以前のパフオーマンスも目指せます。ただ、軟骨や半月板など靭帯の周辺が傷んでしまった場合は、回復も難しくなります。
膝の不安定感や痛みなどを感じる時は、 ダメージが大きくなる前に早めの受診を心掛けて下さい。