関節／再建外科｜診療科紹介｜富永草野病院

関節／再建外科

－痛みのない生活を、おひとりでも多くの方に－

医療の進歩などにより、日本は世界トップクラス長寿国であります。それに伴い、運動器の疾患も増加の一途をたどり、整形外科を受診される、あるいは手術を受けられる患者様も増えてきております。
その中でも、関節の痛みは、歩行という人間の基本となる運動を障害し、Quality of life (クオリティ・オブ・ライフ＝人がどれだけ人間らしい望み通りの生活を送ることが出来ているか) を低下させる原因のひとつとして重要です。

当院でも、そのような患者さまは多く、近年は成績も安定してきた人工関節置換術を選択するような方も多くなってきました。
麻酔技術の進歩、そして低侵襲手術(体に負担の少ない、出来るだけ切らずに治す手術)の導入など手術手技の向上により手術後の疼痛も軽減されており、患者様の不安の解消に役立つものと考えております。また術後のリハビリも早期から積極的に開始し、入院期間短縮に努めております。膝・股関節の痛みでお困りの方や、痛みは歳のせいだと思っている方。諦めてしまっていませんか？是非一度、当院へご相談ください。

人工股関節とスポーツについて

人工股関節手術を受けた後、走ってはいけない、しゃがんではいけない、などと術後言われるというお話をよく耳にします。
当院では、股関節全置換術を行った後の動作制限をへらし、適度なスポーツ参加を推奨しています。

例えば、

＜推奨例１＞　70歳　女性　左変形性股関節症

スポーツ：ボーリング
週数回、シニアボウリング全国大会（アベレージ200）

＜術後3か月の動画＞

＜推奨例２＞　70歳　男性　右変形性股関節症

スポーツ：ゴルフ
月数回趣味程度のゴルフ（アベレージ90）

＜術後3週間の動画＞

＜推奨例３＞　60歳　男性　右変形性股関節症

スポーツ：ソフトテニス
週数回、県内シニア大会出場レベル（冬季のため室内練習）

＜術後6か月の動画＞

但し、どんなスポーツでもいい訳ではありません。
趣味程度のゴルフ、ジョギング、テニス、水泳、ボウリング、ヨガ、太極拳、スキー、登山、ハイキング、卓球 etc. を推奨しています。
競技レベルの激しいスポーツ、コンタクトスポーツ、バスケ、サッカー、ラグビー、フルマラソン、ハンドスプリングetc. はお勧めしません。

＜非推奨例＞　55歳　男性　左変形性股関節症

スポーツ：器械体操
体育教師でボランティアで体操教室

＜術後1年の動画＞

主治医よりハンドスプリングは禁止いたしました。

人工関節を新車のタイヤに例えると、買ったまま車庫にいれておけば、ほとんど摩耗することはありませんが何のために新車を買ったのかわかりません。逆に毎日のように高速道路の数百キロ走行や、オフロード走行をしていれば、早く摩耗し、パンクする可能性も高くなります。バランスよく使用することで、安心で豊かな生活を送ることができるわけです。

74歳以下で日常生活が自立している233関節手術を対象に伊藤医師が行った調査によると、

平均経過観察期間：1年11か月（3か月～3年11か月）
復帰時期：平均3.6か月（1～12か月）
術後スポーツ活動に参加していた割合：72/233関節（31％）
合併症（感染・脱臼・破損）：ゼロ

スポーツの内訳	関節手術数
水泳	43
ゴルフ	8
スキー（レクリエーションレベル）	6
登山（一般レベル）	4
ジョギング（3km以内）	3
テニス	2
ソフトボール	2
器械体操	1
太極拳	1
卓球	1
ボウリング	1

という結果がでています。

当院で予定通り人工関節が行われた場合は、適度なスポーツ活動が希望であればぜひ御参加ください。

当院での人工股関節手術について

当院では3次元術前計画（ZedHip）を使用し、
安易なインピンジメントが生じないように綿密な術前計画による手術を行っています。

＜正確なインプラント選択＞
一致率（ワンサイズ以内）
カップ：100%
ステム：99%

さらに、3次元術中支援（Hip COMPASS）により正確な手術を行います。

・Intra-operative support device for acetabular side

・Niigata Hip joint group developed this system
a. easy handling: 3 mins

b. good accuracy (Suda et al. Springer　2016)
The accuracy of cup angle (N=98)
RI:2.5±1.9 degrees
RA:2.4±2.2 degrees

c. supine position only