脊椎脊髄病センター

当院は運動器官の病気や怪我を対象とする整形外科専門病院です。小児から高齢者まで幅広い年齢層の患者様が受診され、治療内容も多岐に渡ります。私たちは、その中でも脊椎（脊柱）・脊髄を専門に扱うグループになります。
これまでにも、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、頚髄症といった様々な病気による痛み、神経の圧迫に伴う手足の麻痺、歩行障害などに対して、長年の治療実績に基づき患者様のニーズに応じた治療を展開してきました。
この度、2022年より脊椎内視鏡手術システム、術中イメージングシステムおよびナビゲーションシステム、脊髄モニタリングを導入いたしました。このような手術術式や器具の改良、コンピューター技術を用いることにより、ピンポイントの手術から脊柱全体を矯正する手術まで、より多くの患者様が先端医療の恩恵を受けられる体制となり、早期社会復帰、高難度脊椎手術も安全確実に行われるようになっています。
脊椎脊髄の病気は年齢的な変化からくるものばかりではありません。感染（細菌など）、腫瘍、骨粗鬆症や関節リウマチなど全身的な病気からくるものなど、非常に多岐に渡ります。私たちの使命は、患者様個々の病態を見極め、年齢、生活様式、他に抱えている病気、そしてどのような症状を治されたいのかなど、様々な要素を考慮して最善の治療を提供することです。

主な対象疾患

• 椎間板ヘルニア（頚椎、胸椎、腰椎）
• 腰部脊柱管狭窄症・椎間孔狭窄症
• 腰椎変性すべり症・分離すべり症
• 頚椎症性脊髄症・神経根症
• 脊柱靭帯骨化症（後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症）
• 成人脊柱変形（変性側弯症、骨粗鬆症性椎体骨折後後弯症、パーキンソン病に伴う脊柱変形）
• 関節リウマチ、感染などに伴う非腫瘍性脊椎破壊性病変
• 脊椎脊髄腫瘍（悪性を除く）
• スポーツ損傷（腰椎分離症）
• 脊椎脊髄損傷
• 先天奇形（アーノルド・キアリ奇形、脊髄係留症候群）

手術の安全対策

①　術中イメージングシステム
手術中に患部の撮影を行い、リアルタイムかつＣＴのような高精度な三次元（３Ｄ）画像が得られます。

②　脊椎ナビゲーションシステム
術中３D画像を基にしたナビゲーション画面上に脊椎インプラントや器械を反映させることにより、正確にインプラントの設置や骨切除などが可能となります。

③　脊髄モニタリング
手術中に頭部から脊髄神経に電気刺激を加え手足の筋肉の反応を評価することにより、手術操作などに伴う神経へのストレスを検知するシステムです。当センターでは、安全性の担保、治療成績向上のため原則全例に導入しています。

診療・手術実績

担当医師

• 澤上公彦
• 仲村一郎
• 佐藤 栄（顧問）